薬剤師として働いていると、転職を考えることは珍しくありません。
しかし、転職回数が増えると「自分は転職が多すぎるのではないか」と不安になることもあるでしょう。
薬剤師の転職回数の平均はどれくらいなのでしょうか？また、転職回数が多いとされる基準や、それに対する対処法について詳しく解説します。
私は今まで、4回転職をしていますが採用担当者から回数について聞かれたことはありません。
薬剤師の転職事情と平均転職回数
薬剤師の転職事情
薬剤師の転職は一般的な職業の中でも比較的多い傾向にあります。
これは、薬剤師の仕事が専門性が高く、さまざまな業界で求められるため、キャリアアップや職場環境の改善を目的とした転職が多いことが理由として挙げられます。また、薬剤師不足が続く現状では、求人が豊富であることも転職のしやすさにつながっています。
薬剤師は全国どこでも比較的高給で働くことができる便利な資格です！
薬剤師の転職動機は人間関係が主
薬剤師が転職を考える理由には、以下のようなものがあります。
- 職場環境の改善: 労働時間や人間関係など、現在の職場に不満を抱えている場合、転職を通じてより良い環境を求めることがあります。
- キャリアアップ: 調剤薬局から病院薬剤師への転職や、管理薬剤師へのステップアップなど、キャリアを進めるための転職が多く見られます。
- 収入アップ: 同じ業界でも、勤務地や企業によって収入に差があるため、より高い報酬を求めて転職するケースも多いです。
- ライフスタイルの変化: 結婚や出産、親の介護など、ライフスタイルの変化に応じて転職することもあります。
特に狭い職場環境での人間関係が悪化することにより退職することが多いように感じます。
薬剤師の転職回数の平均は2‐3回
実際に、薬剤師の転職回数はどれくらいが平均なのでしょうか？厚生労働省や人材紹介会社の調査によると、薬剤師の転職回数の平均は 2〜3回 程度とされています。（令和3年度 厚生労働省 薬剤師確保のための事業報告書より）
20代後半から30代前半にかけては、キャリアアップや職場環境の改善を目指して転職することが多く、これが一般的な転職回数の範囲と考えられます。
転職回数が多いとされる基準は4回以上！
どれくらいの転職回数を「多い」と感じるのでしょうか？
一般的に、 4回以上の転職を経験していると「多い」と見なされることが多いようです。
しかし、転職回数が多いこと自体が必ずしもネガティブに評価されるわけではありません。重要なのは、各転職における動機や成果がしっかりしているかどうかです。
転職回数が多いことのメリットとデメリット
転職回数が多いことには、メリットとデメリットが存在します。それぞれを理解し、どのように転職を活かしていくかがキャリア形成において重要です。
転職回数が多いことの3つのメリット
転職回数が多いというのは一般的な職種でいえばあまりよろしくありません。しかし、薬剤師に限って言えばそこまでメリットの方が多いと言えます。
- 多様な経験を積める: 異なる職場での経験は、薬剤師としてのスキルや知識を広げることにつながります。例えば、調剤薬局と病院薬剤師の両方を経験することで、幅広い視点から患者さんにアプローチできるようになります。
- 人脈が広がる: 転職によって新しい職場での人間関係が築かれ、結果として人脈が広がります。これにより、将来的に役立つネットワークを形成できるでしょう。
- 自分に合った職場を見つけやすい: 転職を重ねることで、自分に合った働き方や職場環境を見つけやすくなります。最初の職場で感じていた違和感や不満を、転職を通じて解消できる可能性があります。
調剤薬局→病院→企業などを経験している薬剤師はとても重宝されます！
幅広い経験をしていると人間としての幅も広がります。
転職回数が多いことの3つのデメリット
転職回数が多い＝人間性に問題があるとみなされる可能性が高いです。
しっかりとしたポジティブな転職理由を持つことにより、採用担当者からの心象を良くします。
- 安定性への不安: 転職回数が多いと、企業側から「安定性に欠ける」と見なされることがあります。特に、短期間での転職が続くと「またすぐに辞めるのではないか」と懸念されることがあるでしょう。
- 職歴の一貫性が問われる: 転職回数が多い場合、その都度の転職理由が一貫しているかどうかが重要です。もし職歴に一貫性がない場合、面接で納得のいく説明が求められることになります。
- 適応力が求められる: 新しい職場に適応する力が必要です。転職が多いと、その都度新しい環境に適応しなければならないため、精神的な負担が増えることもあります。
人間関係が原因で4回以上転職している場合はあなたにも原因がある可能性があるので注意しましょう。
転職回数が多いと感じる場合の対処法（4回以上は注意）
転職回数が多いことに不安を感じる場合でも、適切な対処法を取ることで、そのデメリットを最小限に抑え、むしろキャリアの強みに変えることができます。
明確でポジティブな転職理由を設定する
過去の転職理由を明確にすることが重要です。
なぜその職場を選び、なぜ辞めたのか、それぞれの転職がキャリアにどのように貢献したのかを整理しましょう。これを面接や職務経歴書で適切に伝えることで、転職回数が多いことがネガティブに受け取られる可能性を減らせます。
同じ企業形態の薬局を10回以上転職している場合は要注意です。
キャリアプランをしっかりと立てる
転職回数が多い場合でも、スキルや資格が豊富であれば、その点をアピールすることで、即戦力としての評価が高まります。
例えば、調剤業務の他にOTC医薬品の販売経験や、在宅医療の知識など、他の薬剤師にはないスキルを持っている場合、それを強調することが効果的です。
自己PRを工夫する
転職回数が多いことをマイナスに捉えられないよう、自己PRを工夫することが大切です。
例えば、複数の職場での経験を通じて得た「適応力」や「柔軟性」、「新しい環境での即戦力としての実績」など、ポジティブな要素を強調することで、転職回数が多いことがむしろプラスに働くように伝えることができます。
私は海外での薬剤師業務に興味を持っていたいので、アフリカで国際薬剤師業務に従事していました。
そのおかげでビジネス程度の英会話をできるようになりました。
今後は御社で海外文献を検索したり、外国人相手の服薬指導にも力を入れていきたいです！
転職エージェントを活用する
転職エージェントを利用することで、自分のキャリアに合った求人を紹介してもらうことができます。
エージェントは、転職回数が多いことをネガティブに受け取られないよう、企業との間に立って交渉してくれるため、安心して転職活動を進めることができるでしょう。
転職エージェントは薬剤師転職のプロです。
どのような立場の方でも転職を成功させるためのアドバイスを無料で受けることができるのでおすすめです！
転職回数が多い薬剤師でも成功するための5つのポイント
転職回数が多いからといって、必ずしも不利になるわけではありません。成功するためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
転職の目的を明確にする
転職回数が多くても、その都度の転職に明確な目的があれば、キャリア形成において強みになります。
例えば、スキルアップを目指して転職してきた経験をアピールすることで、企業側に自分の意欲や能力を伝えることができます。
長期的な視野で職場選びをする
次の転職が最後となるように、長期的な視野で職場を選ぶことが重要です。
短期間での転職を繰り返すことがないよう、自分に合った職場環境や企業文化をしっかりとリサーチし、慎重に決定しましょう。
コミュニケーション能力を磨く
転職回数が多いことをカバーするためには、コミュニケーション能力を高めることが大切です。
新しい職場で円滑な人間関係を築くためにも、自己主張をしながらも相手の意見を尊重する姿勢が求められます。
自己投資を惜しまない
スキルアップや資格取得など、自己投資を惜しまない姿勢が重要です。
これにより、転職回数が多いことを補うだけでなく、むしろ自分の強みとしてアピールできる要素を増やすことができます。
前職での実績をしっかりとアピールする
過去の転職でどのような成果を上げてきたかを具体的にアピールすることが大切です。
これにより、転職回数が多くても、その都度価値のある仕事をしてきたことを示すことができます。
まとめ
薬剤師の転職回数は、平均で2〜3回程度とされていますが、4回以上になると「多い」と感じることもあります。
しかし、転職回数が多いことをネガティブに捉えず、むしろその経験を活かしてキャリアを築くことが可能です。
自分の転職歴を振り返り、明確な目的や計画を持って次の転職を成功させるための準備を進めましょう。
スキルアップや自己PRの工夫、転職エージェントの活用などを通じて、自分に合った職場を見つけ、充実した薬剤師ライフを送ることができるでしょう。
