海外で働く

薬剤師として海外で働く方法 元国際NGO職員が解説

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薬剤師としてのキャリアを海外で築くことは、新たな文化や医療環境に触れながら自己成長できるとても貴重な経験です。

海外での薬剤師としての働き方には準備が必要です。日本で薬剤師になるには最低6年間の大学での学習そして、国家試験を経て薬剤師国家資格が与えられます。そこから海外への準場を始めるとなると数年単位の長い道のりになります。

ここでは、英語が全く話せない薬剤師が海外で働くための手順やポイントについて考えてみましょう。

Teitaka

僕の場合は、英語が全く話せない状態(英会話をしたことがない)から、海外で薬剤師として仕事ができるようになるまで約3年かかりました。

日本での薬剤師経験→英語学習(2年半)→就職活動(半年)→海外就職

アフリカのとある国へ国連機で援助に向かうところ

海外で薬剤師として働く10ステップ 総論

どこの国でどこで何をしたいのかを明確にする

大前提の問題です。憧れのアメリカやイギリスで薬剤師として働きたいのでしょうか?国際NGO職員として災害や貧困、戦時中の地域へ行き国際協力をしたいのでしょうか?これが定まらないと最初のステップは踏み出せません。

発展途上国で薬剤師として働く場合は、日本で想像しているような薬剤師としての働き方ではなく、在庫管理や発注業務がメインになります。

なるべく自分の理想と現場のギャップを埋めることが大切です。

理想→海外の薬剤師は日本より、地位が高くて給与が高い

現実→国によって役割や地位は全く異なる

Teitaka

アフリカで働いていた時は、整理整頓を現地の人に教えていたよ


資格や認定の確認

外国で働きたいという人は目指す国の薬剤師資格や認定の要件を確認しましょう。各国によって語学力の資格要件が異なるため、正確な情報を取得することが重要です。アメリカでは州によっても要件が異なるため細かい情報収集が必要です。

国際NGOで働きたい人はまず、その応募要件の把握をしましょう。国籍や語学力、社会人経験などが特に必要です。

Teitaka

留学が必要な場合は最低でもIELTSで6.0と同等以上の英語スコアが必要


語学力の向上

海外での仕事には、現地の言語を理解しコミュニケーションを取る能力が必須です。必要な言語能力を身につけるため、語学学校や独学、語学留学などの方法を検討しましょう。

先進国で薬剤師として働く場合はネイティブレベルの英語力が必須です。

国際NGOはおおよそ英検2級レベルで合格可能です。独学の場合はこちらを参考にして下さい(英検2級レベルになるためにした10のこと

Teitaka

国際NGO毎の独自の評価基準があるため、しっかりと募集要項を確認しよう


専門知識の更新と補完

各国の医療環境や薬事法規制は異なるため、現地の医薬品や医療システムについての知識が必要です。必要な専門知識を取得し、現地の資格試験に合格するための準備を行いましょう。例えば国際NGOで働く場合、Essential medicineの把握や薬剤の在庫システムを利用できる必要があり、Excelデータに関してある程度簡単にまとめる作業が必ず必要です。

日本での経験が海外で薬に立つことが度々あるため、普段の業務も何かに繋がると思うと良いでしょう。

Teitaka

日本で働いていた時の、職場改善の知識が薬に立ちました!


移民手続きの準備

海外で働くためには、ビザや就労許可の取得が必要です。各国の移民手続きや要件を確認し、必要な書類や手続きを進めましょう。

国際NGO職員であればそのような手続きは会社側でしてくれるので心配いりません。

実際に出発する前には住民票を抜いたり、マイナンバーカードの手続きなど少し面倒なことがあるのでご注意をしてください。


転職活動と求人情報の収集

現地での薬剤師としての仕事を探すために、現地の求人情報や薬局、病院の情報を収集しましょう。また、専門の転職エージェントを活用することも一つの方法です。


現地の法律や規制の理解

各国には医薬品の法律や規制が存在します。現地の法律や規制を理解し、遵守することが不可欠です。例えばアフリカのある国では宗教上、国政の理由で他の国で製造された医薬品の一切の輸入を禁じている国があり、必要な薬であっても手に入らずやりきれない状況になることもあります。


文化や習慣の理解

新たな環境で働く際には、現地の文化や習慣を理解し尊重することが重要です。相手を思いやり、理解しようする姿勢は円滑なコミュニケーションや職場適応に大いに役に立ちます。それぞれの国で異なる文化があるため最低限の知識を身につけるために、各国の文化について描かれている書籍を読みましょう。

現地に行ってからその国の文化を学ぶ機会の方が多く、失敗や衝突を繰り返しお互いを理解していくものです。


サポート体制の活用

海外で働く際には、現地のサポート体制を活用することが重要です。医療機関や専門機関、コミュニティなど、支援を受けられる場所を探しましょう。

特に現地に到着した後にはすぐにたびレジに登録し現地の情勢などいち早く情報を所得できるような体制を整えましょう。

外務省 海外安全情報配信サービス

必要に応じて予防接種を受ける、パスポート期限に注意

海外には日本にない疾患で溢れています。致死率99%の狂犬病などは日本で長らく発症の報告がないためあまり知られていません。

狂犬病の治療方法はないため、必ず事前にワクチンを接種しましょう

【狂犬病ワクチン接種スケジュール】

ブーストとして3回事前に日本で接種します、もし野犬やコウモリなどの野生動物に嚙まれたり、ひっかかれた場合に現地で2回追加接種する

国によって必要な予防接種の種類も異なるため海外へ行くことが決まれば予防接種の準備をしましょう。生ワクチンや不活化ワクチンなど同日に摂取できるものや期間を空けないと接種出来ないワクチンもあるためしっかりとした予定を組む必要があります。

パスポートの期限についても残り1年しかないのに2年間の海外生活を送ることは出来ません。スムーズに手続きが出来ないこともあるため必要に応じて平日にパスポートセンターに行ったりしましょう。

Teitaka

案外、パスポートの期限が短く予定通り渡航できない人が発生しています

薬剤師として海外で働く上で知っておくべきこと

国際協力と人道支援、日本の薬剤師は世界で通用するのか?

海外の薬剤師は日本よりも程度地位があり、日本で得られた知識や経験は通用するのか疑問に思いますが、医療は日本が優れており医薬品などは世界共通のため、海外でも十分に通用します。

むしろ、整理整頓やホウレンソウの基本をしっかりと行うことができるので現場では重宝されます。

また国際協力や人道支援の場では様々な国から医療スタッフや他の職種のスタッフも多岐に渡り一つのチームを組むため和を重んじる日本人はチームに欠かすことができません。

さらに詳しくはこちらを参照してください↓

【薬剤師】国際協力と人道支援、日本の薬剤師は海外で通用するのか?

海外で働くメリット・デメリット

日本を離れて海外で働くと、文化も食生活も何もかも異なり、初めのうちは”生きる”のに精一杯になります。

住んでみれば案外、都になるのですがそれまでが大変です。

異文化の交流や金銭面など様々なメリットがあるのと同時に同じくらいデメリットも存在するので、どちらの側面もしっかりと考えて、海外で働きたいのか考えましょう。

メリットデメリット
語学能力が身につく
お金が貯まる
異文化交流ができる
思いがけない出会いがある
命の危険がある
日本の出来事に疎くなる
日本食が手に入らない
言葉が通じない、日本語を話せない

さらに詳しい内容はこちらをご覧ください↓

【海外で働く薬剤師】メリット・デメリットを独身、既婚者別に解説

英語を活かせる薬剤師業務をする方法とは?求人検索5つの方法

英語を使って出来る薬剤師の仕事にはおおまかに5つの種類があります。

空港、空港付近

都心(大都市の中心)

海外からの労働者が多い地域、工場など

外資系企業

PV(ファーマコヴィジランス)関連

さらに詳しく求人を探したい方はこちらを参照してください↓

【薬剤師転職】英語を活かせる求人の探し方5選

筆者の国際薬剤師へのステップ

私が英語力0の状態から、国際NGOに参加できるようになった具体的なステップは以下である。

  1. 総合病院での経験
  2. 海外ボランティア
  3. 国際NGO

総合病院での4年の経験

海外で薬剤師として国際協力や人道支援の分野で活動を考えているのであれば、ひとつの壁になる”総合病院での経験”です。下記に国境なき医師団の募集要項を示します。

  • 2年以上の臨床経験
  • 総合病院での勤務経験
  • マネジメント・監督・教育の経験
  • 英語またはフランス語で業務ができること
  • 海外(特に途上国)での経験
  • 在庫管理の経験
  • 参考:国境なき医師団 薬剤師募集要項

総合病院での勤務経験ですが、具体的な定義を厚生労働省を参考にみてみると↓

”患者100人以上の収容施設を有し、診療科名に内科、外科、産婦人科、眼科及び耳鼻いんこう科を含み、かつ、設備の諸規定を満たし、都道府県知事の承認を得ている病院をいう。”

このような医療機関で経験は、医薬品の勉強以外にも医師や看護師、その他の医療職種とのチーム医療、コミュニケーションを構築する上で海外での活動にも活かすことができます。

特に海外では日本のように同じ部署に薬剤師が何人もいるようなことはなく、一つの職種は一人だけであり、業務に責任を持っている。

そのため、薬剤師として海外派遣や海外でのボランティア活動を行う際には、”一人で物事を決断する”必要があり、その際に重要になるのが過去の”経験”だ。

自分の中にある程度の経験がないと判断し決断することができないため、多くの診療科がある総合病院での勤務経験が必須となっている。

私の4年間の総合病院での勤務のおかげで、調剤室の業務調整や化学療法、病棟業務、院内の委員会活動、業務改善活動など様々な経験を積むことができ、のちの海外での活動に行き詰まったときの振り返りの原点となっている。

語学力を磨いた海外ボランティア

総合病院での勤務により、薬剤師としての最低限の知識を得ることができたため、次のステップとして語学力の向上が必要とされた。

海外ボランティアの中にも薬剤師として活動しながら、語学力を磨くことができるものもあったため、即応募しアフリカで薬剤師として活動を行った。

低い語学力であり、当初は生活するのもやっとだったが、現地の友人と仲良くなるにつれて日常会話がスムーズにいくようになり、活動も円滑に行うことができた。

知識と語学力の集大成としての国際NGO

抗がん剤調整の技術指導

総合病院での経験と海外での薬剤師としての経験と語学力を磨き、”仕事”として海外で薬剤師の活動を行いたく、ダメでもともと応募してみたら、結果合格をいただき、国際NGOの一員として海外で活動することができました。

活動の中で、やはり語学力や薬剤師としての経験、コミュニケーションの仕方など学ぶことが多く、挫折することも多々ありました。

そのときには、自分が本当にしたいこと、今このような活動ができるのは誰のおかげかを考え自問自答しながら、活動を全うすることができた。

英語力ゼロで国際NGOで働けた6つの理由

  • 青年海外協力隊で2年間英語の基礎と英会話を学び、2年間の活動期間での人との出会いの中で将来の目標を設定
  • 自分の実力に見合った国際機関とポジションの発見
  • 早めの段階でいつでも赴任できる体制を整える
  • 1年以上前から応募
  • 応援してくれる人がいた
  • 運が良かった

さらに詳細はこちら↓

英語力ゼロの私が国際NGOで働けた6つの理由


まとめ 海外で薬剤師として働くためには多くのステップがあり、長い準備期間が必要

薬剤師として海外で働くには、資格や認定の確認、語学力の向上、専門知識の更新、移民手続きの準備、転職活動と求人情報の収集、現地の法律や規制の理解、文化や習慣の理解、サポート体制の活用が重要です。これらのステップを踏みながら、新たな環境での薬剤師としてのキャリアを築いていきましょう。

まず、総合病院で薬剤師としての経験を積みたい方はこちらから転職の準備を↓

日本で英語を使って働きたい方はこちらを参考に↓

【薬剤師転職】英語を活かせる求人の探し方、5選 英語を使ってある程度日常会話ができる薬剤師にとって、自分のスキルを使って仕事が出来るとよりモチベーションを保つことができます。 ...

また私のより詳細な経歴やどのように国際NGOに合格したのか、キャリアプランで悩んでいる人はぜひご相談ください。薬学生や新卒で今後どのように薬剤師として生きていくのか迷っている方には役立つ情報です。

以下から質問、相談、コメントを受付しております↓

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    Teitaka
    薬学部を卒業後、調剤薬局、総合病院の勤務を経て30歳を機に海外で働くことを決意、海外経験なし、語学力もなし。 そんな自分が試行錯誤を繰り返し、国際NGOで働けるまでに語学力をup。しかし現在でも英検2級程度の実力。さらなるレベルアップを目指し、次への目標を定めて今一度本格的に英語学習を再開。その備忘録をここに記します。 薬剤師として国内、国外で働いた経験を活かして転職についてもアドバイス。 【経歴】 ・6年生薬学部一期生 ・病院薬剤師: ケモ担当、病棟薬剤師管理者 ・調剤薬局: 管理薬剤師、薬局長、支局補佐 ・国際NGO: 薬局管理者