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病院薬剤師は、薬学知識が豊富で他の医療職種の人とコミュニケーションを取る必要があり、時には急患対応をするため優先順位をつけて業務をすることが必須とされる職種です。
ミスを連発して、どうしてもうまくいかないことが多かったり、病院薬剤師としての登竜門である当直勤務を任せてもらえない場合はもしかしたら病院薬剤師に向いていないかもしれません。
自分自身で病院薬剤師に向いているのかわからない場合は今回の内容を客観的に見つめて判断しましょう。
もし、向いていなかったとしても調剤薬局への転職など選択肢はあるので心配しないでください。
職歴2-3年目の病院で働いているけど、うまくいかないことが多く、悩み始めた若手薬剤師向けの内容だよ!
病院の業務が合わなくても、調剤薬局でのびのび働いている人もいるので大丈夫。
病院薬剤師に向いていないかも?すべて当てはまるなら調剤への転職も考慮
チェックリスト | |
---|---|
✅ | 同じようなミスを何度も繰り返す |
✅ | 他の部署から名指しでクレームを受けたことがある |
✅ | 同期と業務の進捗に差がある、担当業務がない |
✅ | 土日・祝日勤務の人数が自分のときだけ多い |
✅ | 当直業務がいまだにない |
✅ | 上司に個別に呼び出されることが多い |
同じようなミスを何度も繰り返す
人間誰しも完璧な人はいません。
しかし、1-2回のミスはありますが3-4回同じようなミスをする場合はもしかしたら、その業務が自分に合っていない可能性があります。
看護部からの注射薬の電話での問い合わせなどひとつ間違えると患者さんの命に係わる可能性もあるので、同じミスは防ぐことができても同じようなミスをする場合は応用力がない可能性があるため、病院業務には向いていないかもしれません。
電話対応では、あなたと電話口の相手しか通話の内容を知ることができないため、周りがフォローしにくい難易度の高い業務です。
その中で、しっかりと自分の意見をいう薬剤師になる必要があります。
【ダメな例】
薬剤師さん、患者のルートが1本しか取れなく、●●と▲▲の薬を同じルートで一緒に投与しても大丈夫よね?
薬剤師
そうですねー、大丈夫だと思いますよ。(たぶん大丈夫だろ)
よかったーありがとうございます(んーなんか信用できない。。。あとでもう一度確認してみよう)
【良い例】
薬剤師さん、患者のルートが1本しか取れなく、●●と▲▲の薬を同じルートで一緒に投与しても大丈夫よね?
一緒のルートでも大丈夫ですが、同時投与は避けてください。配合変化が起きる可能性が高いのでフラッシュは忘れずに行ってくださいね。
やっぱり確認して良かったです!ありがとうございます。
他の部署から名指しでクレームを受けたことがある
病院では、医師や看護師などの医療スタッフ、会計での医療事務などチーム医療として様々な職種のスタッフと関わり業務をこなしています。
その中で、「●●さんが、適当に話したせいで患者さんが怒った」や「●●さんが、先生に意味のない問い合わせをして怒っている」など名指しでクレームを受ける場合は、もしかしたら病院の業務が合わないかもしれません。
同期と業務の進捗に差がある、担当業務がない
業務の進捗に差が出るのはやむをえない場合もありますが、その差があまりにも大きい場合は、注意が必要です。
以下の新人研修の一例をご覧ください。
例) 病院薬剤師新人研修
4月 -接遇、計数調剤
5月 -計数調剤、計量調剤、一包化調剤、注射薬調剤、伝票業務
6月 -調剤業務全般、院内薬局製剤、電話対応、持参薬鑑別、疑義照会
7月 -リスク管理、ヒヤリハット事例検討、服薬指導、監査
8月 -外来部署での定数薬補充、病棟での服薬セット業務
9月 -担当業務(麻薬、TDM、化学療法)
10月 -担当業務ローテーション(麻薬、TDM、化学療法)
11月 -担当業務ローテーション(麻薬、TDM、化学療法)
12月 -新人指導担当との面談、独り立ち最終確認、当直
病院薬剤師は、一つの業務に対し深い知識が必要であり、麻薬や抗がん剤調整、TDMなどの担当業務に別けて一定期間ローテーションを行うパターンが多いです。
その中で、他の同期は順調に担当業務が振り分けられているが自分は通常業務だけの場合は指導が遅れている可能性があるか、担当を任せてもらえない理由が他にある可能性があるため、一度指導薬剤師や上司に相談した方が良いかもしれません。
<業務担当>
同期は自分以外、担当業務についているが自分は新人と一緒に調剤室業務のみを続けている場合は注意してください
土日・祝日勤務の人数が自分のときだけ多い
多くの総合病院では入院患者さんがいるため、薬剤部でも土日、祝日24時間業務を行っています。
しかし、外来業務がないため、通常より少ない人数で土日、祝日を回すことになります。
必要最低限の人数で業務を行うため、新人でもない限り、いつもの土日、祝日勤務の人数より、自分の勤務のときだけ薬剤師が”多い”場合は1労働力として考えられていないことがあるため、向いていないかもしれません。
<土日・祝日勤務時の体制>
通常→4人体制
あなたがいる時→5人体制の場合は要注意
当直業務がいまだにない
当直業務は、すべての薬局での業務を一人前にできると認めてもらってからできるようになる業務です。
2年目になり、他の同期や新人が自分を差し置いて、当直に入る場合は病院の薬剤師業務が向いていない可能性があります。
初当直のときに、先輩や後輩から差し入れをもらうのが嬉しかったです。
それをうらやましそうに見ている後輩がいて、心が苦しかった。
上司に個別に呼び出されることが多い
ミスが多かったり、他の部署から名指しでクレームが多く届く場合は、上司から別室で呼び出され事情を聴取されることがあります。
通常、上司からの呼び出しは、異動や昇進、退職などの進退を決めるようなときに限られるので2年目の薬剤師が何度も呼び出されるのは、病院薬剤師の業務が向いていない可能性が大です。
上司に呼び出されるのは。
昇進
異動
退職
などであるがそれ以外で呼び出しされる場合は注意が必要
番外編 これはパワハラ?IQ検査を受けさせられた
当時病院に勤めていた時、ある後輩の業務進捗が遅く、当直などの業務に進めずにいた。
私が退職してから、聞いた話だが、上司にIQ(=知能指数)テストを受けさせられたとのこと。
「そこまでするか」と思いつつ、受けた本人はIQに異常はなかったのだが、その後、調剤薬局へ転職することになった。
このようなことが実際にあっていいことなのか?自ら受ける分にはいいが、上司にすすめられた時の気持ちは想像を絶するものだろう。
現在は、調剤薬局でのびのび働いているので、病院から調剤薬局への転職は彼女にとって正解であり、安心している。
境界知能という人もいるが、もしそうだとしても病院側は辞めさせることはできないだろう、一体何のための検査だったのか疑問が残っている。
調剤薬局だけじゃない!薬剤師として働く方法
病院の勤務が大変で調剤薬局へ変えようとしてもなかなか気が乗らないこともあるでしょう。
しかし、歌手のケツメイシさんや作家の武内 直子さんなどは薬剤師免許を持ちながら他の分野で大変活躍されています。
現在は、インターネットの普及に伴いブログやSNSで自身のことを発信することが可能になっているので”薬局での仕事”に疲れた場合は他ジャンルで薬剤師経験を活かすことも考えると人生の幅が広がります。
まとめ 病院薬剤師に向いていないと思ったら早めの行動を起こしましょう
病院薬剤師は、臨床のスペシャリストとして医師や看護師などの質問に素早く、正確に答える必要があったり、適切な薬物治療を行うための情報提供を正しく行う必要がある責任感のある職業です。
その中で、プレッシャーに感じたり、うまく仕事を行うことができなく、自分には向いていないかもしれないと思うことは新人病院薬剤師にはよくあることです。
仕事がうまくいかなくて、泣いてしまう病院新人薬剤師を毎年見てきました。
上記の例は、目安としてのチェックリストです。続けているといつのまにか、先輩として成熟することもあるので自分を客観的に見ることが必要になります。
もし病院薬剤師に向いていないと思う場合は、調剤薬局へ転職して新たなキャリアを築きましょう。